2014年09月03日

イラク戦争概要 1

多くの軍事専門家が、イラク戦争で特殊部隊が革命的な進化を遂げ、重要な役割をしたと分析している。専門家がこのように分析するのは、この戦争で始めて、通常部隊と特殊部隊の主従の関係が逆転し、特殊部隊の活動を通常部隊が支援し、特殊部隊がイラク軍の機械化部隊と戦い、大勝利を収めたからである。

国防省の発表によると、通常軍がイラクに侵攻する数ヶ月前に、すでに2個統合特殊部隊がイラク西部・北部に展開し、特殊作戦を行っていたようである。これらの部隊は、わずかな人数であったが、その戦力は、十分に大規模作戦を行えるだけの能力を持ち、実際にクウェートから進撃を開始した通常部隊を支援していた。

この2個統合部隊、つまり西部統合特殊作戦軍(C/JSOTF-West)は、ヨルダンおよびサウジアラビアからイラクへ侵入した。これらの部隊の任務は、砂漠に点在する簡易空港を占領し、シリア・ヨルダン国境から伸びる幹線道路を封鎖し、フセイン政権首脳の逃亡を阻止することであった。

この任務のほかにも、砂漠のあちこちに配備された移動式スカッドミサイル発射台を追跡し、イスラエルへ発射されることを防ぐことも含まれていた。

中央作戦軍参謀本部は、今回の作戦の立案において、特殊部隊を北部・東部イラクに配置することで、バクダッドを孤立させることを主眼としていた。実際に、北部・東部から圧力をかけることで、イラク軍の南北の移動に相当な制約が加わり、作戦は成功した。

繰り返しになるが、イラク戦争は、特殊部隊が地上戦において主力となった戦いである。このような作戦が成功したのは、特殊部隊同士の連絡が綿密であっただけでなく、サウジやクウェート、さらにフロリダの総司令部とも、連絡がスムーズに行われた結果である。

イラク戦争は、通信手段の飛躍的な向上により、すべてのレベルで通常軍が特殊部隊を支援し、その支援を受けて、特殊部隊は、戦闘行為だけでなく、深度偵察、地方での特殊工作が可能となった。通常軍の支援の見返りとして、特殊部隊は、彼らに重大な情報を提供したのだ。

従来、特殊部隊は、ヘリコプターで敵地に運ばれ、短期間の作戦を行うものであったが、今回は多くの戦闘旅団に配備され、通常軍とともに戦い、バクダッドの最終戦も参加した。両者の関係は、その「文化」が大きく異なるにもかかわらず、非常に良好で大きな混乱は起こらなかった。

このようなことが可能となったのも、特殊部隊の将校が、各師団・連隊司令部に配属され、通常軍の司令官と協働して作戦を立案・遂行したためである。これは、過去には考えられなかったことである。

イラク戦争における、特殊部隊と通常軍の相互支援が、この大作戦成功の鍵であることは疑いようがなく、将来のアメリカ軍の形を作ったとも言える。


次回更新は9月10日 イラク戦争概要2 です。
ご意見・ご感想をお待ちしております。




------------------------------------------------------------------------------------------
別ブログ「ミリタリーナレッジレポーツ」で、詳細を紹介しております。

同人誌も発行しております。こちらもどうぞ。同人誌書店COMIC ZIN通販ページに飛びます。(購入には会員登録が必要です。)




私の訳書(共訳・監修)です。よろしかったらお読みください。
画像クリックでamazonへ飛びます。
















Posted by 友清仁  at 07:01 │Comments(0)知識編

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。